教育プログラム
1.はじめに
本学脳神経内科は、あらゆる神経疾患の専門的診療を行っている点において、神経内科専門医の卒後研修に最適な施設であり、内科学会および神経学会の教育施設として認定されている。
脳神経内科臨床各領域の専門家がそろっているため、各方面についての指導を受けることが出来、特定の領域に偏ることのない全般的な能力を身につけることが可能である。
2. 施設概要
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- 脳神経内科
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- 医局在籍医師数 約50名
- ベッド数 29床
- 年間入院患者数 約400 人
- 年間外来患者数 約30,000 人
- 経験できる主な神経疾患
- 脳血管障害、神経免疫疾患(中枢性脱髄性疾患、免疫性ニューロパチー、神経・筋接合部疾患など)、筋・末梢神経疾患、錐体外路疾患、運動ニューロン疾患、変性疾患、神経感染症、高次脳機能障害、神経救急 意識障害、てんかん、頭痛など
3. プ口グラムの名称
東京女子医科大学脳神経内科医療練士プログラム
http://www.twmu.ac.jp/info-twmu/iryorenshi/index.html
4. プログラムの目的と特徴
東京女子医科大学病院を基幹施設として、近隣医療圏にある連携施設を含めた病院群で内科専門医研修を経て、標準的かつ全人的な内科的医療、臓器別のsubspecialty分野の専門医にも共通して求められる基礎的な実践に必要な知識と診断能力を習得すること。
本プログラムのsubspecialty(脳神経内科)重点コースでは、専門研修施設群での3年間(基幹施設2年間+連携施設1年間を基本とするが随時変更可能とする)に,豊富な臨床経験を持つ指導医の適切な指導の下で,神経内科専門医制度研修カリキュラムに定められた脳神経内科領域全般にわたる研修を通じて,標準的かつ全人的な脳神経内科的医療の実践に必要な知識と技能とを修得する。
5. 研修連携施設
東京女子医科大学八千代医療センター、東京女子医科大学東医療センター、さいたま赤十字病院、公立昭和病院、戸田中央総合病院、至誠会第二病院、東京都保健医療公社大久保病院
6. プログラムの管理運営
東京女子医科大学病院内科専門医研修プログラム管理委員会
7. 脳神経内科研修教育カリキュラム
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Ⅰ. 目標
- A: 一般目標
- 脳神経内科医に対する医学的・社会的ニーズに対応できる医師となるために、内科および脳神経内科の基礎知識、技術を修得し、患者様の心と身体をいたわる至誠の精神を身につける。
- B:行動目標
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- 脳神経内科診療に必要な基礎知識を修得し、臨床に応用する。
- 脳神経内科診療に必要な検査・処置に習熟し、臨床に応用する。
- 医療安全管理の基本を説明し実践する。
- 上級医、指導医と相談し治療方針を決定する。
- 患者、家族に病状、治療方針を説明する。
- 医療記録(診療録、手術記録、病歴要約)、診断書、報告書を遅滞なく正確に記載する。
- コメディカルと協力しチームワーク医療を実践する。
- 慢性期の神経疾患を理解し、地域医療と連携を学ぶ。
- 症例の的確なプレゼンテーションの方法を修得し、症例検討会に参加して討論する。
- 学会での発表。発表内容を論文にする。
- 認定内科医および神経内科専門医を取得する。
- 上記すべてに対して学生・研修医、下級練士研修生の教育に参加する。
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Ⅱ.方略
- A: 年次別研修スケジュールと研修内容概略
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病棟患者診療を中心に研修する。
病棟診療体制は病棟に病棟長のもと指導医班が4~5班置かれ、各班は医療練士研修生(上級医)と研修生によるチーム体制となっている。
3ヶ月ごとに班のローテーションを行い、脳神経内科診療に必要な基礎知識・検査技術(筋電図、髄液検査、ボツリヌス治療など)および内科的な全身管理を修得し、臨床に応用する。各班で指導医、上級医と相談のうえ、患者の治療方針を決定し、患者および家族に説明する。神経救急として,急性期脳血管障害(血栓溶解療法=tPA治療を含む)やてんかん患者への対応などを習得する。
回診は教授回診が週l 回、モーニングカンファレンスが週2回、病棟長回診が週1回行われ、患者の診察、治療方針の決定がなされる。また、リハビリテーション部・医療社会福祉室・看護部との合同カンファレンスを週l 回、脳神経外科・救命科合同脳卒中カンファレンスを週1回行い、総合的に患者の治療方針を検討している。症例検討会は週l 回行われ、貴重な症例は学会、研究会に報告する。
- B: 週間予定
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毎週火曜日 8時30分から
教授回診
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毎週月曜日・金曜日 8時30分から
モーニングカンファレンス
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毎週1回
病棟長回診、脳波判読会
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毎週火曜日15時30 分から
抄読会、症例検討会、医局会
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週1回
脳神経内科・脳神経外科・救命科合同 脳卒中カンファレンス
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毎週火曜日13時から
ボツリヌス治療
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週2回
針筋電図
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3ヶ月に1回
手術報告、死亡症例検討会
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月1回
脳神経内科・脳神経外科合同カンファレンス
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年数回
臨床病理カンファレンス
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- C: 指導体制
- 病棟診療体制は病棟長のもと指導医班が4~5 班置かれ、各班は脳神経内科練士研修生(上級医)と研修生によるチーム体制となっている。
研究班は脳血管障害、神経生理、神経病理、神経免疫、末梢神経・筋、神経心理班がある。
主任教授の指導、監督、責任のもとで、研修計画に従い、それぞれの専門スタッフ、指導医の指導を受ける。
8. 内科専門医研修プログラム修了後の進路
内科専門医研修プログラム終了後、東京女子医科大学または脳神経内科関連施設の脳神経内科医療練士として所属し、神経内科専門医に必要な研修を継続することが可能である。
研修内容の評価については、脳神経内科医療練士委員会が随時チェック、修正を加え実施される。年数回の関連病院運営会議において、指導医と研修内容について意見の交換を行う。
神経内科専門医取得後、研究推進のため海外機関に留学することもできる。
9. 学位
研究論文が掲載された後、講座主任教授との協議のもと、医学博士の学位の申請が可能である。
10. 専門医
内科専門医研修プログラム終了後に日本内科学会総合内科専門医を取得する。
その後、神経内科専門医の取得は必須。
その他、専門分野の専門医(日本脳卒中学会、日本頭痛学会、日本臨床神経生理学会、日本認知症学会)の取得が可能である。
11. 問い合わせ先
東京女子医科大学脳神経内科ホームページ参照
ホームページアドレス:http://www.twmu.ac.jp/neurology/
その他問い合わせ先
162-8666
東京都新宿区河田町8-1
東京女子医科大学脳神経内科
医局長 鈴木美紀
TEL 03 -3353 -8111